ヤマダ電機に勝つ方法



ちょっと前のニュースですが、ベスト電器が不採算店舗を大幅縮小、さくらや清算、というのがありました。家電量販店は価格を始めとした条件でスケールメリットが出やすいので、上位の会社に有利に物事が進みます。



ヤマダ電機の売上高が日本国内では突出して高いので、放っておけば、ヤマダ電機の寡占が進むわけです。日本全国、隅々まで出店が行われた感があるので、もし店舗数をベースにした売上高規模が、競争のキーファクターなのだとしたら、すでに勝負はついた感があります。





しかし、敢えてここでヤマダに挑むとしたら、どういう立場の小売店がどのように挑むことが出来るでしょうか?





どの店でモノを買うかをお客さんはどのように選んでいるのか、を分解して考えると、まあ、色々と要素はあるんでしょうが、まず立地があって、でも、一番大きいのは価格、で、品揃え、店員の説明能力、と来て、この4つで全体の80%くらいは説明できる、と仮定します。



ここで、やっぱり価格の要素がその80%のうちの30%くらいはありそうに思うので、どうすればヤマダよりも安い価格をつけられるか、ということを考えるのがヤマダ妥当の王道でしょう。





ヤマダよりも安い価格をつける





なかなか難しいですが、完全に無理なことではないように思います。



当然、自社の利益を削れば価格は下がりますが、そうするとヤマダも値段を下げてきますので最終的には体力勝負に持ち込まれて負けてしまう。



そうではなくて、構造的にヤマダよりも安い価格をつけるにはどうすればよいかを考える必要があるでしょう。



価格は、メーカーからの卸値の上にコストと自社の利益を乗せて決めますので、ヤマダよりも安い卸値をつけてもらうか、ヤマダよりも安いコスト構造を持つか、がヤマダよりも安い価格をつけるためには必要です。





前者の「ヤマダよりも安い卸値をつけてもらう」に関しては、これはスケールメリットの捉え方で、今後、さらに巨大な競合が出てくる可能性はありますよね。



仕入れ交渉をグローバル化して、桁違いの販売量を武器により有利な条件を要求するプレーヤーが現れる余地があると思います。ベストバイやウォルマートのようなところなのかもしれないし、もしくは成長する中国・アジア地域の小売の覇者が日本の家電量販店のどこかを買収して、とんでもない規模のアジア圏小売グループになるかもしれない。



逆に言うと、今、日本で下位の量販店は、中国の国美あたりに買収してもらって、販売ノウハウを提供しつつ、東アジア圏でのスケールメリットを持ってメーカーから有利な条件を引き出す、とか、そういう方法でヤマダをひっくり返すことが出来るかもしれません。





もう一つの、コストを下げる方法は、これは単純にヤマダよりも高効率なオペレーションを展開する正攻法があるとは思いますが、やっぱりコストを考えるとWeb上に店舗を構えるのが最も安くなるはずですよね。



Web上なので巨艦店も何も無いのだけど、Web上での家電販売はまだまだ改良の余地がある。



リアルの店舗では出来ない売り方はいくらでもあるでしょう。例えば、ものの比較はリアル店舗よりもネットの方がやりやすいはず。複数の候補を色々な観点で並べなおしてみる、とか、物理的にある商品と別の商品を並べてみる、とか、そういうのをバーチャルに行える環境を提供してみる、とか。 説明員を雇っても良いかもしれませんね。24時間対応で。商品について質問があれば、ネット回線経由でサービスセンターの人みたいな人が「私はテレビ売り場の担当で〜」と言って出てきて、商品を詳しく説明してくれる、とか。



コストはリアル店舗を維持するよりも下がるはずなので、下がったコストを売価に反映すれば構造的にヤマダよりも安い価格がつけられるはずでしょう。



今は会社帰りにヨドバシで見て週末にヤマダで買う、のかもしれませんが、Web販売がちゃんとしたら、ヤマダで実物を見てWebで買う、となるかもしれません。





そんな感じで、いろいろ面白いことが出来ると思うのですが、どうですかね。