[]次世代家電量販店の可能性をもうちょっと考えてみた





家電量販店をスケールアップするにはどうすればよいのか、をもうちょっと考えて見ました。



「良い買い物をした」とお客さんが感じるポイントを上から挙げていくと、





1.値段が安かった(値引き、他店より安い、など)

2.接客が良かった(購入に納得感が出た、使い方がわかった、など)

3.その他サービスが良かった(おまけ、設置、配送、在庫、など)





あたりなんではないかと思います。



値段を下げるには、変動費の方で努力して仕入れコストを下げるか、固定費を下げて、低い粗利幅でも運営が成り立つような筋肉質の組織を作る必要があります。





家電の場合、ネットでの取扱量がリアル店舗を抜くにはまだまだ先が長いようですが、将来的には不可能では無いようにも思います。



「いやいや、やっぱり現物を見ないと」というような声は根強くあると思いますが、「いや、将来はネットでの販売が優勢になる」と無理やり信じて、逆にそれを可能にするためにはどうすれば良いのか、という発想に切り替えた方が面白いと思います。



破壊側に回って、既存のビジネスをいかに出し抜いてみせるか、ということを考えるほうが基本的に面白い。



家電量販店の場合も、色々やりようはあると思います。





特に、もうちょっと考えてみて、接客は、絶対にネットに持ち込んだ方が面白い。これは、ネット販売の話にとどまらなくて、リアル店舗でも適応可能なんじゃないかと思いますが、クラウドの側に専門接客員を置いておく、という考え方はどうでしょうか?





最近、家具を買い揃える関係で、家電量販店によく行くのですが、正直、店員の接客レベルに非常にムラがあります。 大変商品知識が豊富で、適切な提案をしてくる店員も居れば、お客さんレベルの知識しかない店員も居る。 



東京の本店クラスでもこういう状況なので、地方の家電量販店でこれは!と思う接客を受けるのは難しいように思います。





そういう状況をかんがみて、接客員をクラウドの方に置いておくのはどうか、と思うのです。



ハイパークラスの商品知識、提案能力を持った接客員を接客センターのような場所に配置します。この場合、この接客センターは物価の高い東京に置く必要は無いので、沖縄などの地方、またはセブ島や南米にもって行っても良いかもしれません。



最近、月給7万円で日本人を中国で雇用する、というパターンがコールセンターなどを中心にあるようですが、同じ考え方です。



海外に接客センターを置くと、時差の関係で24時間対応のサービスが可能になります。コストメリットとサービスメリットの両方があるかもしれません。



この接客センターのスタッフは、日常の雑務や陳列・配送業務のようなバックオフィス系の仕事からは切り離し、顧客接点でのサービスと商品知識の獲得に特化させます。



ネット店舗の場合はスカイプかチャット形式で、リアル店舗の場合は店頭にインターフェースを設置して、その店舗の店員が答えられない、もしくは顧客がより高度な商品説明を受けたいと思った場合に、呼び出し可能なようにしておきます。



センターはネット&全店舗から呼び出されるので、5分前に九州で接客して、次は北海道から呼び出し、というような状況になります。



全店舗に店員をくまなく設置して、しかも各店舗の店員のレベルを底上げするために投資をするよりも、店舗スタッフは基本的な顧客接点の業務と、展示・在庫管理などの基本業務に押さえ、あるレベル以上の接客はセンターからのサポートを入れる、という形にした方がコストメリットが出るように思います。



下がった分のコストは値段に反映させることも出来るし、もしくは利益として自分の側で確保することも出来ます。



かつ、地方でも東京でも、同レベルの商品接客が提供できるので、全体の接客満足度も上がるのではないかと思うのです。



地方での雇用創出にも役に立つのではないかと思うのですが、どうでしょうか?



個人的には、業界の3番手くらいの量販店に、上位との差別化として積極的に検討してもらいたいですね。もしくは、個人商店のようなお店のネット店舗で導入する、とか。