[]ジャーナリストとビジネスパーソンの情報収集の違いってこんな感じか? 「3時間で「専門家」になる私の方法 佐々木俊尚)を読んだ





_SX230_






「仮説思考」って言われても、そもそも良い仮説なんてそんなに簡単に思いつかないよ!というのが普通のビジネスマンの反応だと思います。情報収集の効率性を上げるには、作業仮説を作ってそれに基づいて〜というのが一般論としてあって、アカデミックな世界でもビジネスの世界でもそういう方法をとる人が多いように思います。





一方で、情報収集のプロフェッショナルと言えば、やっぱりジャーナリストってうイメージもありますね。夜討朝駆じゃないけど、一次情報のネタ取りはジャーナリストの右に出るものは居ないんじゃないか、みたいな。





で、佐々木さんの本を読んでみたんですが、結論として思ったのは、ビジネスで情報を集める時よりも仮説の縛りが若干緩い、というところ。よく言えば真実に対して探索的で自由。悪く言えば(これでも)時間がかかる。



マトリックスを描いて全体を俯瞰して、そこから「クオリア」(=直感的にピンと来る瞬間)にめがけて、緩く網を張っていく。で、ピンときたらよりサーチの幅を狭めていく、というアプローチを取っています。その間、「セレンディピティ」と呼ぶ偶然の発見があれば、それはそれで良しとして、調査の方向を変えるのも許容していくようです。





どちらかと言えば「仮説」中心というより「命題」中心。





これがビジネスだったら、「少子高齢化社会に日本に様々な変化をもたらす」という命題レベルから調査をスタートさせるのではなくて、「少子高齢化すると実は日本の産業競争力は上がる」とか、より狭く絞った仮説レベルからいきなりスタート、というのが求められていることだと思います。空パックを先にさっさと作って、必要なデータ集めに走る、みたいな。



これが出来ないからみんな苦しんでるんですけどね。



で、命題回りの探索をすっ飛ばして、いきなり良い仮説を立てるにはどうすれば良いのか、というスキルをみんな日々探索しているのだろうと思います。こういう思考のフレームワークはいくつかありますね。





本としては、なるほどね、そういうサーチの仕方をしてるんだ、と参考にあるところも多く、面白く読めました。