[]燃えるごみと燃えないごみ 「空気人形」



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最初から最後まで伏線だらけだったな、というのがまず最初の感想です。映画のストーリー展開は、周到に張られた伏線に関心したのですが、でも、見終わった後の感想は「日本ってきついな」でした。



東京の風景(江戸川周辺と東京湾再開発エリア)と「ダッチワイフの体に空気を吹き込む」というエロティシズムで味付けしながら、語っているのは心の空虚さ、ということだと理解しました。



かなり閉塞感にあふれた状況描写で、ああ、どうしてこの監督はこの映画を撮らないとならなかったのだろう、と単純に思いました。



老いも若きも男も女も、みんな未来に対して前向きには生きていなくて、それが心の空虚感に繋がっています。



なんだ、それって中は空気のダッチワイフと一緒じゃん、ということなのですが、色々な伏線があって、あの最後のストーリー展開に繋がっていきます。



決して後味の良い映画では無いのですが、日本のリアルを感じる上では良い映画なのかもしれません。