実害は? 日経ビジネス「米国からの三行半」



hyoshi






去年、民主党が政権をとって小沢一郎が大訪中団を送った時にも、これと似たような話がそこかしこから出てきました。 アメリカとの関係が悪化するのは、という懸念です。



でも、この問題をきちんと解説できるジャーナリストの人に僕はまだめぐり合えていません。この号の日経ビジネスも、内容的には非常にお寒い感じです。



この手の話が「寒い」と思う理由は二つです。一つは、「関係が悪化する」とは具体的にどのような状況のことを言うのかわからない。もう一つは「関係が悪化するとどのような実害があるのかわからない」



どうも、日経ビジネスの話では「アメリカから日本が相手にされなくなる」ことをもって「関係が悪化する」と言っているようなのですが、それって「悪化」なのか?と言うのがそもそもの疑問。日本の相対的な国力が低下しているのだから、相手にされなくなるのは自然な成り行きなんじゃないか?と思います。 



普天間の件にしても、日本はこの件で政権が揺らぐほどの大騒ぎをしていますが、アメリカから見たときの重要度は、それほど高くないんじゃないか、と思うわけです。



要するに、90年代初頭まで世界の大国アメリカと喧々諤々と貿易交渉をしていた立場から、何も言われなくなってしまって寂しい、という話なんじゃないかと疑います。



であれば、「関係が悪化する」実害ってないんではないか?と。逆にあの頃は様々なプレッシャーをかけられ、スーパー301条やらの実害を被っていたわけで、そっとしておいてもらえたほうが好きなように出来て逆に良いんじゃないか?と思います。



中国に関心が高いのは、巨大マーケットなのに規制や政治的なリスクが高くて関心を高く保たざるを得ないからで、かならずしもポジティブな話ではありません。



日本としては、「三行半」がうんちゃら、なんていう感傷的な話をしているよりも、したたかに将来を生きていくために具体的に何をするべきなのか、を考えた方が生産的だと思います。