[]2010年ヒット商品ランキングから何を読み解くか
時期柄、「今年のヒットランキング」のような振り返り系特集が出てきました。
世の中がどうなっているのか、これからどうなって行きそうなのか、ということを流行した具体のモノゴトから読み解こうという意図なんだと思います。
が、こういう時に自分を戒めるために、今一度思い出したいのはソースティン・ヴィブレンの「有閑階級の理論」の話。要するに、「カネという変数」で説明できることが世の中思っている以上に多い、という話です。
なぜ社会との繋がりを強くするモノゴトが流行るのか?
・細かくはTwitterなど
・将来に対する不安 → 要するにカネの話?
なぜアウトドアが流行るのか?
・皇居マラソン、山ガールなど
・金をかけなくとも豊かなライフスタイルは送れる → 要するにカネの話?
なぜ激安居酒屋が流行るのか?
・欲しいのはコミュニケーションの場。美味しい居酒屋料理ではない → 要するにカネの話?
ということで、平たく言ってしまうと、背景には色々とあるにせよ、結構な部分が結局のところお金があるかどうか(今だけでなく、将来の収入の見通しも含めて)に関する意識で説明できてしまうような印象がぬぐえません。
80年代に「消費はお金の関数ですと言っている経済学は今の消費行動の解明になんら示唆を与えない」という話がありました。あの時代の実感は確かにそれが正し買ったのだろうと思います。が、今の日本を見渡すに、記号消費等を含む、ちょっと前までの消費者行動分析の威力が勢いを失っているのが現状なんだろうなあ、と思わざるを得ません。それくらい、「結局カネの話でしょ?」という見方の説得力が増しているように思います。