[]捻りの無い「貧乏」の表現。ここまでやるとすごい。映画「楢山節考(ならやまぶしこう)」

narayama




「姥捨て山」を題材にした映画です。83年のカンヌのパルムドール



この映画、観終わってから色々「うーん」と唸って色々考えたんですね。



一体全体何を表現していたのか、と。



 ・姥捨てと家計と比べる是非を問うている?

 ・信州の昔の苦境を伝えたかった?

 ・貧乏に生きる人間の生(性?)を表現したかった?



色々考えました。



たぶんそのすべてを包括しているのだと思うのですが、僕にとってこの映画は



   ・捻りの無い「貧乏」の表現



ということで落ち着きました。



口減らしの為に「慣わし」と言い訳をつけて70歳の生きた人間を山に捨てる、という事実。

その村の生活を演じきった役者根性



 ・雪の振る川を素足でジャブジャブやってる!

 ・木の中の虫を何のためらいも無く食べてる!

 ・黙々と母親を背負って冬の山を登っている!



貧乏というものを捻りなく表現するとこういう映像になって、そして実はそこには悲壮感が無く、運命を自然に受けいている人間がいるだけなのだ、というシンプルな事実を表現したのだと理解しました。



最近の日本映画にはあまり見ないタイプです。



なかなかのものです。