[]「知的好奇心」(波多野 誼余夫/稲垣 佳世子)

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これは大学時代のゼミの先生の本



最近、グローバルのなかで日本の学校教育はどうあるべきなのか、という課題が頭をよぎることが多いのですが、グローバルで生き抜く力を育てることと知的好奇心を育てることってどこかで繋がっているのではないかと思い、十数年ぶりにこの本を開いてみました。



・人間はそもそも知的好奇心にあふれた存在である。

・人間はなまけものではなく、知的好奇心をそそられる状況では自発的に学習・仕事をする



というのが根本的な本書のメッセージで、それを裏付ける様々な実験や考察が書かれています。



人間の知的好奇心が喚起されるのは、自分の常識的な概念と「ちょっと」違った事象が観察される時で、その「ちょっと」の度合いは大きすぎても小さすぎてもいけない、とあります。



継続的に学習をし続ける人や組織っていうのは、外部からの視点を取り込んで、自分の置かれている状況を相対化する機会が多いんだろうと思います。ちょっとした違和感に対して「どうしてだろう?」という興味を持ち掘り下げていくことで、新しい情報や能力を獲得していくというプロセスが日常の中にちりばめられているのだろう、と。



逆に言うと、異質なものと接触する機会が少なく、定形的なオペレーションを繰り返し行うことを求められるような環境では知的好奇心が喚起されづらく、よって学習も起こりにくいということなんだろうと思います。