[]「規模の経済」に対する見方を変えてくれる本(トヨタ生産方式:大野耐一)

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スケールメリットを追求して〜」という考え方をすることが多いですよね。特に、最近の日本の負けパターンは「思い切った投資判断をしなかったためにスケールメリットから来るコスト競争についていけなかった」で、半導体太陽電池、液晶パネル、LED、リチウムイオンなど、失敗例の枚挙に暇が無いので、うっかりするとスケールメリット万能論に陥ってしまいそうになります。



そういう中で、コストを下げる方法としてトヨタ生産方式と呼ばれる考え方があり、上記のような大規模な投資と生産能力の拡張を行う中でも、よくよく考えなければならないことがあるのだ、ということをこの本は教えてくれます。



「スケールカーブ」と「エクスペリエンスカーブ」の違いに集約される内容なのだと思いますが、何をどうすればエクスペリエンスカーブを早く駆け下りることができるのか、世の中の潮流と生産方式はどのような関係になっているのか、そんな示唆が満載の一冊でした。