[]最近のアメリカに感じる「違和感」の背景がわかる本 (「アメリカン・デモクラシーの逆説」渡辺靖)

アメリカン






筆者があとがきで書いているようなアメリカ感が、大多数の日本人が持ち続けているアメリカ感だと思います。特に若い時に文化的にアメリカに憧れを持った人が多い中年以上の世代の人は、あそこに書かれていたようなアメリカ感を強く持っているように思います。



ところが最近、アメリカがちょっとおかしいんではないか?という話がそこかしこから聞こえてきます。時期的にはブッシュの頃からですが、妙な違和感が拭い去れない。



一つには経済的な要因、つまり相対的にアメリカの経済力が落ちてきている、ということがあるのは間違いありません。が、それとは別にそもそもアメリカという国のもともとの構造が、今の社会の様態として現れてるという話があり、この本は、その構造をとても鮮やかに見せてくれます。



アメリカ社会で一体何が起こっていて、それがどのような背景を基にしているのか、腹に落ちた理解ができました。やはり、アメリカはヨーロッパからの独立した経緯というまなざしで見ると「なるほど」と理解できることが増えるようです。