[]これは本当に良い教科書 (「経営学入門 上・下」榊原 清則)

経営




これ、もう何回かブログに載せてるんですが、読み返す度に「やっぱ良い教科書だよなー」と思うので、再掲します。



書かれたのは2002年でちょっと古いんですが、今でもとても使いやすい教科書だと思います。 (ブルーオーシャンなどのわりと最近に流行ったフレームワークについては直接言及は無いのですが、経営学の体系骨子はつかめるようになるので十分有益だと思います)



上下巻ともに「組織論」と「戦略論」の2本柱について書かれていますが、上巻が歴史的に良く出てくるフレームワークについて書かれており、下巻はもう少し現状の企業活動の分析に比重が置かれています。



経営学の全体の体系の中で、各論のフレームワークを学ぶことができるのがとても良いです。現実のビジネスがフレームワーク通りに動いているわけではありませんが、「経営学フレームワークから考えると、このビジネスはこういう状態にあって、問題はおそらくここで、考えなければならないのは×××」という考え方をしてみるには意味があると思います。



これってつまり補助線を引く行為だと思うんですね。パッと見で解き方がわからなくても、色々補助線を引いてみると解法が見えてくる。



補助線の引き出しは多ければ多いほど良いわけで、経営学の学徒で無い人がその体系の骨子をつかむにはとても良い本だと思います。



実際の仕事では、あまり教科書的な分析をしても面白い示唆は出てこないことが多いのですが、ある程度まで教科書的にやってみて、そこから狙いを定めて深堀をしていく、しかもクリエイティブに、という進め方が良いように思っています。