[]経営分析って南斗聖拳みたい(「なぜ、あの会社は儲かるのか?」を読んだ)

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「経営分析が南斗聖拳に見える」って言われて、ぴんと来る人なんて一人も居ませんが、僕はそう思います。



南斗聖拳っていうのは、「北斗の拳」に出てくる架空の拳法のこと。主人公のケンシロウ北斗神拳の伝承者でこちらは一子相伝暗殺拳。それに対して、南斗聖拳は表の拳と言われていて、108派の流派に分岐しています。



原作の漫画を読めばわかりますが、北斗神拳を使うのは、基本的に主役級の大物です。対して、南斗聖拳のほうは、雑魚キャラでも結構使うのが居ます。出て来たと思ったら5ページ目くらいでケンシロウにやられてしまうのもいるし、ひどいのになると、ダイナマイトを投げるだけの「南斗爆殺拳」とかいうのもある。



と、同時に、南斗六聖拳とか南斗五車星の登場人物は、準主役〜主役級で、それぞれが背負っている星の宿命がキャラクターに色濃く反映されている重要人物です。





「経営分析が南斗聖拳に見える」というのには二つの意味があるんですが、、、



?分析力の良し悪しが人によって大きくばらつく

    ・雑魚キャラみたいな切れない分析から、南斗水鳥拳のレイみたいに

     美しくスパッと切れる分析まで色々

?流派によって特徴が大きく異なる

    ・手技、足技、スピード、力、などなど、流派と使い手で攻め方が違う



北斗の拳の登場人物達がお師匠様について修行をするように、経営分析の道を極めるためにも、まずは「この流派だ!」と思うものを見つけ、その流派の達人に教えを請うことが必要です。



巷には、会計とか経営分析の本があふれています。あれもこれも読むのはばかばかしいと思っている人も多いと思いますが、僕はこの手の本をパラパラと多読するのは悪くないと思っています。



理由は、多読することで色々な人の分析の技が見えるから。



世の中色々な分析の仕方をする人が居るので、何が切れる分析で、何が切れない分析なのか。分析にはどういう流派があるのか。誰がどの流派の「伝承者」なのか、みたいなことをスキャンすることは、自分の技を固めていく上では訳に立つのではないかと思います。



キャッシュフローを重視する人もあれば、わかりやすい損益計算書を中心に分析する人も居るし、貸借対照表から驚くほどリッチな情報を持ってくる人もいます。



(*ちなみに、この本は誰でもわかるように損益計算書を中心にしています。企業の戦略と数字の関係性を理解させ、会計分析の面白さを伝えることに力点がある本だと感じました)



スパっと切れる分析の使い手になるのは大変ですが、世紀末(?)を生き抜く上ではとても重要なスキルなので、あまり内容の無い本に出会ってしまうこともありますが、この手の本は多読するのも良いんじゃないかと思っています。