[]次世代のリサーチャーの仕事とは? (「次世代マーケティングリサーチ」萩原雅之)

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最近のネット環境と脳科学などのテクノロジーの進化がマーケティングリサーチの分野にどのような変化をもたらしているか、をまとめた書籍。



僕がマーケティングリサーチにどっぷり漬かっていた頃と比べるとだいぶ手法が変わったな、というのが第一印象。ただ、根底にある考え方はあまり変化していなくて、大きく2つの方向性。



?顧客をもっと深く、もっと具体的に理解したい、という考え方

?賢い顧客を巻き込んで売れるもの・売れる売り方を発見したい、という考え方



でも、これって程度問題だと思うんですよね。確かに新しい手法を使えば今までとは違った情報が取れるのかもしれませんが、結局はリサーチ結果というのはものを考えるための「刺激物」に過ぎないので、従来の手法だけでも、感性の鋭い人は同じ答えに到達してしまうように思います。



次世代のリサーチを考えるのであれば、根本に持っておいた方が良い考え方っていうのは?や?では無くて、



?グローバルの顧客の動きを、現地に居なくても理解したい、という考え方



なのではないかと思います。特に日本企業にとってはこれがとても重要。



消費財メーカーのように、組織をローカルに分散させて商品をローカル化していくことも解の一つではあるけれど、基幹部分は世界本社で一括で考えて、細かいところだけローカルにあわせていく、というのも解としてはありだし、全世界で規格統一をして生産のスケールメリットを出す、というのも解としてはありです。



本社での一括開発をする場合は、グローバルで顧客がどう変化しているのか、何が起こっているのか、をスピーディー×深いレベル、で理解する必要があります。



そのために次世代のリサーチ手法がどう使えるのか?、という論点で考えた方が面白いと思うんですよね。このあたりは、次世代のリサーチャーの仕事になるのかな。