[]ペルセポリス

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イラン人としてフランスで生きる主人公の、イランでの少女時代からフランスへの留学、そして移住にいたる回想をアニメーションによって表現した映画。



一箇所だけ、ちょっと違和感のある逸話が挿入されているのですが、おそらくそれがこの映画の根幹なんだと思います。



それは、一度目のフランス留学で廃人同然になった後イランに戻り大学に進学した後の話。街中で憲兵に捕まりそうになった時に、とっさに近くにいた男性に無実の罪を着せて逃げようとします。家に戻り、場を切り抜けた話を得意げに祖母に話すのですが、ここで主人公は祖母から激しく叱責されます。



この祖母は少女の時代から主人公の「内なる規律」に大きな影響を与えていて、社会がどんなに変わり、法律が変わっても、主人公の内面を構成しているのはこの祖母なのだ、ということがこのストーリーの挿入によってわかります。



イラン革命の最中での少女期、フランスへの留学、イラン・イラク戦争下での生活、など激動の社会を生きた女性の自伝的作品なのですが、内なる規律に従って自分らしく生きることへの強い意思表示的作品なんだと思います。



そういう意味で、実は観ていてちょっと疲れる類の映画だったり。。