[]「巨象も踊る」から学ぶべきこと

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ガースナーの「巨象も踊る」、相当久しぶりに読みました。 7・8年ぶりくらい。



昔読んだ本を読み返して、理解を深めることが出来るっていうのは自炊してPDF化したデータをいつも持ち歩いている効果です。 ちょっと思い立った時、ちょっとした隙間時間にぱらっと読めるのが良い。



で、しばらくぶりに読んだんですが、やっぱり学生時代に読んだ時とは心に引っかかるポイントが違います。赤線を引いている場所がちょっとずれてるんですよね。



大会社で7年務め、コンサルに移って色々見た後でこの本を読むと、相当ピンと来ます。



要するに「ベクトルの方向合わせ」なんですよね。



確かに、分社化をしないという決定や、eBusinessへのコミット、ハードからサービスへの転換、など大きな戦略の正しさはその後の業績の急回復に効いています。しかし、ガースナーの貢献として最も価値が高かったのは、社内のベクトルを合わせる仕事に有ったのだろうと思います。著者自身も、「正しい戦略ならキャビネット一杯に詰まっていた」と言っており、また「企業文化の構築はマネジメントの一要素だと思っていたがそれは違った。それはマネジメントそのものだ」と言ってます。



問題は、内向きの利権補助に明け暮れる官僚体質で、それを改善出来ないで放置してきたマネジメント



だから、顧客を重視する、勝つ為に行動する、といった基本行動原則を強調し、それとは異なる方向を向いているベクトル分子をつまみ出し、このベクトルの方向で突き進むことを奨励するシステムを作り上げたというのです。そして、この為には、ありとあらゆる手段を講じる必要が有ったようです。



実行力



これは、単純に言ってしまうととても陳腐に聞こえる言葉です。しかし、どう考えてもマネジメントを成功させる為には鍵となる要素で、だからこそ、この「実行力」というものが何を意味しているのか、それを豊かに理解しておく必要があります。



そして、IBMという大企業をターンアラウンドさせた経営者が何を考え何をしてきたのか。400ページのこの本から学ぶべきことは、彼の実行力の豊かな内容だと思います。