[]日本酒の歴史がわかる(「ほんものの日本酒選び」)

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昭和50年代に書かれた本なので内容は古いのですが、だからこそ今の日本酒がどういう発展の途上に有るのかということが良くわかりました。



大学の時に居酒屋で飲んで強烈な悪酔いをした日本酒が、どうしてあんなに不味かったのか。

今の吟醸酒がどういう技術の発展の上に成り立って居るのか。



端的に言ってしまえば、不味い日本酒というのは、戦前の米不足時代の落とし子のようなものであり、添加物とアルコールでじゃぶじゃぶに薄めてあるということ。ワインでも「アペラシオン・ボルドー・コントレ」みたいに、異なる畑のブドウを混ぜて醸造することが有りますが、日本酒の場合はもっと酷くて、全国各地の小さな酒蔵が作った酒が桶買いされて、混ぜられて「灘の酒」として売られている(居た)ということ。



それと比べると今の旨い日本酒はまるで別物ですね。精米の技術が上がったため、30%程度まで削った大吟醸酒なんていうのも見るし、酵母の働きで、米なのにフルーツのような吟醸香があるものも良くあります。



日本酒はまだまだ飲み始めたばかり。これから、どんな味に出会えるのか、ほんと楽しみ。