[]向上心について考える(「無能の人」つげ義春)
この石屋の人生は悩ましい。
結局、奥さんに泣きながら言われたように、彼は漫画を描くべきなんだろうけれど、そこに本人が確信を持てていない。だから石屋をやっているんだと思いますが、すでに子供も居て中年の域に入ってしまっている。
この先、彼は何をきっかけに確信を取り戻すのだろうか、それとも悩みながら人生の終盤を迎えていくのか。
自分も生涯モラトリアムで、何かにコミットすることなく人生をすごして行きそうな予感があり、そういう意味で考えさせられる一冊でした。