[]日本の次の方向性(原研哉「日本のデザイン」)

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天才、原研哉の最近の新書



たしか盛田さんの「Made in Japan」に書かれていた記述だったと思いますが、戦後の荒廃から復興し「アメリカに優れた製品を輸出する最初の日本企業になる」というモチベーションで世の中を作ってきた時代が結構長いこと続いてきました。この時代は半世紀ばかり続いたのですが、その時代が今まさに幕を閉じつつあります。



新しい時代がどうなりそうなのか、ほとんどの日本人は混乱して明確な道筋が見えていません。



そういう時代に一体日本人はどうやって飯の種を作っていけばよいのか。その根本的な問題にわりとストレートに答えを出そうとしたのが原さんの本です。



簡単に言ってしまうと、土地に根ざした文化感覚をベースにモノやサービスを作っていくべき、というのが原さんの話で、たぶんそれは一つの筋の良い答えなんだと思います。日本の文化感覚に根ざしたモノやサービスが売れるのかどうか、は、かなり感覚的・直感的な話ではありますが、原さんがまとめて「それって具体的に提示するとこういうこと」という本書の事例を見ると、やっぱりなんか筋が良いような気がする。



「デザインのデザイン」にピンと来た人には感じるところのある本だと思います。