[]勉強熱心な個人投資家の本(本「バリュー投資の教科書」)

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この本、個人投資家の方が書いた本だそうです。

そうとは知らずに読んでいて、途中でびっくりしました。非常に勉強熱心な方だなーとほんと関心。



P139までの財務諸表分析のところが面白いです。

経年でのBSの分析が一番大事、というスタンスを取っています。



株式のファンダメンタル分析では、確かに安定性や安全性を見たいのでBSも分析しますが、CF計算書やPLを先に見る人が多いように思います。ビジネスの成長性や資金の流れを見て、それからBSを見るという順番。



著者の主張は、BSを経年で見れば、事業の成長性も安定性もお金の流れも全部いっぺんに見られるというもの。確かにそれは一理あるように思います。



後半の定性分析以降の内容は、正直いまひとつ踏み込みが足りないですね。まず、有価証券報告書の内容でビジネスモデルを分析するのは無理があります。あと、いくつかMBA的なフレームワークも出てきますが、フレームワークはあくまでフレームワーク。それで情報をまとめたからといって将来の企業の成長が見えるようになるわけではありません。また、PPMに関する記述は一部間違いがあります。



そうは言っても、ビジネスモデルは機械的に分析すればそれなりの答えが出てくる、という類のものではないので、ここは実務やケースでの場数を踏んで学んでいくべきとことなんだと思います。



前半部分の分析は、非常に良く勉強されてまとめてあるので、ここだけでも読んでみる価値はあると思います。