[](吉村昭「漂流」)
いや、この小説は面白かった。
今週、平日の夜、ご飯を食べた後寝るまでの間、ひたすら読み続けてました。
江戸時代に、船が難破して難破して八丈島のさらに南の鳥島に行き着いた男の話です。
不幸中の幸い×100回並みの奇跡で12年の漂流生活の後、故郷に帰国するんですが、
作家の描写力のすごさがとても身にしみた一冊でした。
匂って来そうな描写力
・アホウドリを食べ続けた結果、体から鳥の匂いが漂って、、、、
・事実を丁寧に積み重ねることで、はるか南方の江戸時代の漂流生活が生き生きと見える
人間にとって目的とは何なのか?
・長平は鳥島での生活において、4回強い目的意識を持ち、行動に移した結果生きて帰還した。
・アホウドリが渡り鳥であることに気づき、干し肉を作った時
・アホウドリの首に木札をつけて伝達を試みた時
・飲料水を貯める為に池を作った時
・船を建造し、島を脱出した時
・目的意識を持ち続けることが生き延びることに繋がる
・逆に、それを失った者は命を落とした
・自然の脅威を克服し、生命を維持することが人間にとっての原始の「目的」
・このレベルの目的を明確に持つ人間は強い