[]きわめて真っ当なことを言っていると思う(「バリュー投資は「勝者のゲーム」)

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ウォール街のランダムウォーカー」の翻訳者井手さんの著書



本のタイトルと表紙がいまいちですが、言っていることは極めて真っ当。この表紙見て、投資に役立つことが書いてある本だ、とは思えないんですが、株式に限らず、企業評価をする人には参考になる本だと思います。



内容は、



・投資をする際にまず見るべきはEPS(一株当り利益)

  −将来の成長の原資(内部留保BPSに組み込まれる)

・そのEPSを稼ぎ出す力がROEの高さ

  −EPS=BPS(一株当り株主資本)×ROE

・要は、BPSを高いROEでまわすとEPSが上がり、それが翌期のBPSに入って高いROEでまわって、、、、と拡大再生産されていく

・株価の割安度を見るにはPERを見るだけで十分

・先行きが見えなくなったらキャッシュ化するのも手



ということです。



バフェットが1988年にコカコーラの株を買った時の試算が出ていますが、上の内容で単純な計算をしているだけのようです。これは目から鱗



今のところ、僕は株価推定するのにCFの予測を作ってバリュエーションをしているんですが、この本を読んでやり方を変えようかと思いました。



バリュエーションして出てくる株価って眉唾なんですよね。結局割引率をいくらにするのか、成長率をどれくらいで見るのかで、値段がいかようにも変わります。



EPSとROEを見るやり方は単純だけど、理にかなったバリュー株投資の方法だと思います。結局、どうしてこの会社はROEが高いのか?という理由を理解して、その理由が先々も同じように適用されるのかどうかを判断し、投資先を見つけていくんでしょうね。