[]同意できない議論も多いが。。(「街場のメディア論」)

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内田樹さんの議論は、同意できないものも多いんですが、僕はそれでもこの人は優れた語り手だと思います。



その理由は、この本の中でご本人が言っていますが、



「固有名と、血の通った身体を持った個人の「どうしても言いたいこと」ではなく、「誰でも言いそうなこと」だけを選択的に語っているうちに、そのようなものなら存在しなくなっても誰も困らないという平明な事実に人々が気づいてしまった」



状況の中で、彼なりの「自分がここで言わないと、たぶん誰も言わないこと」を語っているように思うからです。



内田さんに対して、ほとんど人格否定みたいな批判の仕方をする人も見受けられますが、あの手の批判の仕方って不毛だと思うんですよね。そこから面白い話は何一つ出てこないので。



この本は職業からメディアの話まで幅広い題材が語られています。正直、教育のくだりなどは僕は内田さんとは意見が違いますが、それでも、彼のスタンスを取ってそこから「自分がここで言わないと、たぶん誰も言わないこと」をいう姿勢は見事だと思います。