[]時代を感じる(漫画「沈黙の艦隊」)

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一気読み。



昔の漫画を一気読みしたいときはTsutaya Discasが便利。最近、返却がコンビニでできるようになったのでさらに便利度が上がりました(前は、集荷のお願いを佐川急便にしないとならなくて面倒だった)。



全16巻なんですが、文庫版で一冊が分厚い。全部読むのに8時間くらいかかりました。



有名な漫画なので知っている人多いと思いますが、日米共同で建造した最新鋭の原子力潜水艦が突然失踪し、後に独立国家を宣言するという話です。



原子力潜水艦=国家、という突拍子も無い視点から、国家とは何ぞや、国防とは何ぞや、世界平和とは何ぞや、という論点を突きつけきます。



この論点に対して、艦長海江田と米国大統領ベネットに語らせることを通じて作者自身の見解を提示してきます。僕自身は、ここで語られる見解には正直無理があると思いますが、難しい論点に対して独立戦闘国家「やまと」という視点から解を出そうという切り口は非常に面白かった。



それから、日本国首相竹上の作中での描かれ方が傑作ですね。



「ああ、日本ってこういう国だった。(と日本人自身が自己評価をしていた)」ということを強く思い出しました。経済的には復興したけど、政治的・思想的にはなんら国際貢献していない(と日本人が強くコンプレックスを持っていた)時代がありました。



この作品が終わってから20年くらい経つんでしょうか。そういう国を取り巻く空気って変わるもんだなあ、ということを再認識しましたね。



面白かった。