構造主義っぽく言えば、部族抗争、不倫、復讐、、っていうのはかなり普遍的な神話素だと思うのですが、そうして普通の話を迫真の演技で演出した傑作だと思います。
極北のイヌイット族に伝わる「足の速い人」の伝説を映画化したもので、映画のクライマックスは、粗暴なオキに襲撃されたアタナグユアトが、兄を殺されながらも危機一髪で槍をかわし、極寒の北極圏の氷の上を全裸で(?!)逃げるシーンです。
こんなシーンは今まで見たことがありませんが、ストーリーに強烈な力を吹き込んでいます。必見です。
2001年カンヌ国際映画祭
□カメラ・ドール : ザカリアス・クヌク