ホン

[]経営は生ナマしいところが一番面白い(入山章栄「世界の経営学者はいま何を考えているか」)

経営学の研究成果を一般向けにまとめた本って、僕はこれまで見たことがありません。 経営学の入門書はいくつもありますが、最近の研究をスクラップブックにして、というのはこの本がほとんど唯一じゃないですかね? こういう試みは、アカデミックと実務を繋…

[]この投資方法は無理(「ジム・クレイマーの株式投資大作成」)

バフェットのよううな「バイ・アンド・ホールド」ではなくて、「バイ・アンド・ホームワーク」という短期での投機的売買も含めた投資方針を進めています。 言いたいことはわかりますが、この投資スタイルをとるのは無理ですね。 著者は1週間1銘柄につき1時間…

[]人の成長を考えさせられる(「「おじさん」的思考)

なんだか判りませんがこの本は響く。(自分が「おじさん」年齢になったからという話もあるが) なんでだろうとちょっと考えたんですが、それはやっぱりこの本に収められているいくつかの話が、「人としての成長」を題材として扱っているからなんだろうと思い…

[]同意できない議論も多いが。。(「街場のメディア論」)

内田樹さんの議論は、同意できないものも多いんですが、僕はそれでもこの人は優れた語り手だと思います。 その理由は、この本の中でご本人が言っていますが、 「固有名と、血の通った身体を持った個人の「どうしても言いたいこと」ではなく、「誰でも言いそ…

[]会計っていうかPDCAの話(「強い会社をつくる会計の教科書」)

丸善で平積みになっていてなんとなく買っちゃった本。 でも割と面白かったですね。経営管理の実務に近い話で、しかもユニクロでの話しがベースになっているので、メーカーの管理系の人にとってはピンと来る本だと思います。 内容は、 ・1にも2にも、数字で…

[]きわめて真っ当なことを言っていると思う(「バリュー投資は「勝者のゲーム」)

「ウォール街のランダムウォーカー」の翻訳者井手さんの著書 本のタイトルと表紙がいまいちですが、言っていることは極めて真っ当。この表紙見て、投資に役立つことが書いてある本だ、とは思えないんですが、株式に限らず、企業評価をする人には参考になる本…

[]単なるインデックスファンド推奨本では無い(「ウォール街のランダム・ウォーカー」)

非常に有名なベストセラーで、ちょっと分厚いんですが、とても良い本。 一見、市場は効率的でインデックスファンドを上回る運用成績を出すことはほとんど不可能、という主張をしているように見えますが(そして、実際そう書いていますが)、行間から漂ってく…

[]行き着くところは人と文化の話(山本七平「日本はなぜ敗れるのか」)

旧日本軍の敗戦の研究に関しては、「失敗の本質」が有名ですが、山本七平のこちらの本も面白いです。 「生死の極限状態になると、敵軍を食い、友軍を食い、終いには戦友を食うようになる」とか、「日本軍は一切の対日協力者を、その生命も保証せず放り出した…

[]暗算にはコツがある(「「計算力」を鍛える)

この本は前半は参考になるティップスがあって良いのではないかと思います。 まず、暗算が速くなるテクニックは役に立ちますね。 ざっくりと計算するコツと、典型的な計算結果を暗記するだけで、確かに暗算は相当速くなると思います。 「一人当たりにすると、…

[]テクニカル分析はやりきれんな

年内に、「売り」のルールをきちんと決めようと思って買った本。 これで4,000円くらいするんですね。たっかい。 内容は主にテクニカル分析の話。 この投資(投機)の考え方は僕にはちょっとなじみません。参考になった部分もいくつかありましたが、すべては…

[]うーん、、、これはちょっと。。(「ファンダメンタル投資の教科書」)

うーん、、、この本はちょっとどうなんでしょう。 この方は公認会計士だと思うんですが、書かれている内容に違和感が。。 例えば、、、 「営業利益≒営業キャッシュフローで、そうでない場合は粉飾の恐れが」って、見た瞬間に違和感のある記述。架空売上を立…

[]組織論であり、人材育成論であり、仕事論であり、人生論(斉須正雄「調理場という戦場」)

三田のフレンチ「コート・ドール」の斉須さんの本。 「コート・ドール」はだいぶ昔に一回だけ行った事があります。ハーフボトルでワインを飲んで、それがとても美味しかったのを覚えています。 本の内容は斉須さんの料理人としての経歴を若い時から時系列で…

[]創造力のある個人への福音書(クリス・アンダーソン「MAKERS―21世紀の産業革命が始まる 」)

この本は面白いですね。 ・製造業を始めるのに巨大な資本力が必要無くなった というのがまず大事なメッセージ。 かつては商品アイデアを思いついたら、工場を建て従業員を雇う必要があったが、今では、コンピューター上で設計したものを、3Dプリンターやレー…

[]東アジアとはなんなのか?(「日本史」の終わり」

この本は面白いですね。 中国と欧州の違いを理解すると、日本という国の見通しが非常によくなるということが良くわかりました。 日本社会の話をしていますが、「社会」を「会社」に換えて考えても、非常に納得のいく話だと思います。 日本の伝統的な会社の仕…

[](吉村昭「漂流」)

いや、この小説は面白かった。 今週、平日の夜、ご飯を食べた後寝るまでの間、ひたすら読み続けてました。 江戸時代に、船が難破して難破して八丈島のさらに南の鳥島に行き着いた男の話です。 不幸中の幸い×100回並みの奇跡で12年の漂流生活の後、故郷に帰国…

[]こういう発想のことを認知的不協和というのでは?(「僕たちはガンダムのジムである」)

題名が面白かったので買ってしまった本 題名は面白いんですが、内容は意味不明。 ジムの任務はホワイトベースを守ることで、ザクと戦ってホワイトベースを守るジムがいないと困るでしょ?というメタファーを使っています。我々はニュータイプじゃないけど、…

[]コーチング関係でもう一冊

コーチング関係でもう一冊。 こちらは神戸大学の金井先生が執筆に関わっているもの。 コーチングの世界って、正直玉石混合だと思うんですよね。 コーチの資格っていっても、数社が提供している高額のコースに参加して、一定の経験を積めばコーチを名乗ること…

[]人と組織を変える方法のひとつ(「コーチングマネジメント」)

戦略のインプリって中々難しいですよね。 特に、その戦略が、「やる/やらない」のオプション判断みたいなものではなくて、新しい仕組みを作って導入する、とかいう話だと非常にややこしい。 ただ、時折、インプリが突然スムーズに進み始める瞬間があるのを…

[]基礎知識の欠損を高校の教科書復習で補う(佐藤優「読書の技法」)

本書のポイントは、基礎的な知識の欠損をどうやって補うのかという点にあるように思います。 読書の技法というタイトルで、確かに速読・熟読の方法なども書いてあるんですが、それはあくまで手段の話で、知識の習得の話の方が重要。 受験勉強で相当の暗記・…

[]下り坂社会も悪くない(島田裕巳×小幡績「下り坂社会を生きる」)

この先日本が、経済規模や市場の大きさといった量の側面で上り坂になることは無いですね。なので、どうやって上手く下り坂を下っていくのかが重要だよね、という話。 出世をして、たくさん消費をして、それが幸せにつながるという人生観がすごい勢いで後退し…

[]歴史からパターンを学ぶ(「東大のディープな日本史」)

東大の歴史の問題って面白いですよね。 細かい知識を問う問題は出なくて、ある事象の背景構造を説明させる問題が多い。地政学・経済状況・社会状況、など要素を繋ぎ合わせて事象を説明する力を試しているんだと思います。 大学を卒業してから歴史を学ぶ意味…

[]プロフェッショナルとその組織論(斉須政雄「調理場という戦場」)

これは良い本。 料理の世界は、自分の仕事とアウトプットが明確に繋がっています。いわゆる、「プロフェッショナル」というくくりに入る仕事。なので、一流の料理人の仕事ぶりからは示唆が得やすい。 斉須さんの考えで、なるほど、と思ったのは「料理は細か…

[]生殖技術で生まれる側の論理(夏樹静子「茉莉子」)

これ、近所の割烹のお姉さん(おばちゃん?)に勧められて読んだ本。 何で夏樹静子の話になったんだったか。。。日本酒飲んでべろべろになっていたんで、もはやまったく覚えてませんが。 大学生の芸妓の茉莉子が、自分の出生の秘密を追って行きます。その中…

[]筒井康孝を思い出した(小林 恭二「ゼウスガーデン衰亡史」)

友達にお勧めされて読んだこの本。 中学生のときによく読んだ筒井康孝を思い出しました。 東京に作られた遊園地が勢力を拡大し、日本国を上回る存在となり、分裂し、、、というお話。読みながら、筒井康孝の「宇宙衛生博覧会」+「薬菜飯店」+「俗物図鑑」…

[]実践するには勇気が居るが、正しいことを言っていると思う(「大前家の子育て」)

日本の学校教育ってほんとおかしいよなー、と思っていた矢先、大前さんの本に似たようなことが書いてありました。 この本面白い。 前半は昔に書いた子育て本の再掲なんですが、後半にその教育を受けたご子息お二人のインタビューが付いています。理論と実践…

[]マーケティング関係のKPIってこんなにあるのか(「マーケティング・メトリクス」)

これでMECEなのかはどこにも書いてないのですが、世の中のマーケティング関係のKPIを手広く集めてくると一冊の本になってしまうようです。しかも結構な厚み。元ネタはウォートンのEMBAのテキストみたい。 実際に会社のKPIの整理をするときは、相当考えて体系…

[]CMOマーケティング最高責任者

ちょっとわけあって読んでみた本なんですが。。。。 この本は何の問いに答えようとしたのかが、ちょっとわかりにくいですね。 「CMOって必要ですよね」ということが言いたいのであれば、もうちょと別の議論の積み重ねの仕方があるんじゃないかと思います。

[]厳密性と実用性の間(「マーケティングROI」)

マーケティングのROIってどうやって測るんだろうね、ということで読んでみた本。 この手法を実務に持ち込むのは中々難しいんじゃないかとと思います。 マーケティング投資が将来生み出すキャッシュを現在価値に引きもどして、、、、というのはどーなんでしょ…

[]広報・PR効果は本当に測れないのか

商品発表会のROIってどうやって図るのかを調べている時に読んだ本。 広報予算の一定比率は調査に充てるべきで、きちんとしたPDCAを測るべきとまで言っていました。 どうなんでしょうね。広報だけを突き詰めれば、お金をかけてちゃんと調査して改善を図ってい…

[]内田さんの情報収集の片鱗が見える(内田和成「プロの情報整理術」)

BCG前代表の内田和成さんの著書 内容は他の著書などで内田さんが常々言っている内容とかぶります。 ・情報収集では差がつかない時代になってしまった ・アウトプットを考えたインプットを効率よくするべき ・頭の中に引き出し(20個もあったらしい。。)を作…